請負契約の目的となる、具体的な「建築物」つまり家の内容が決まっていない段階で、「とにかく契約だけ」と言って請負契約を急がせる場合は要注意だと感じています。
施主・注文者は請負契約の締結を急ぐ理由・急ぐ感じを持っていないケースが殆どであると思います。
じっくりと納得いくまで建物の打合せをし、検討し、どのような家を建てるのか、しっかりと理解した上で請負契約を締結したいと言うのが一般的な思いでしょうが、多くの人が初めての経験であるので、ここでは一般論は施工業者等に言われる内容に終始するの場合がほとんどです。
具体的にどのような家を建築するかまとまってきた段階では、いくつもの図面や仕様書が作成されてくることが少なくないのが一般的です。もちろんこれらを作成するためには多大な労力がかかるので、この時点で少しでも早く請負契約を先行させたいのは、施工業者等の立場で考えれば、確かにそうであろう。
しかし、いくつものプランを検討し、内容を精査して家づくりするのが普通だろうと考えます。家を作る立場からはプラン等が確定した段階で初めて請負契約の締結準備ができるのも事実でしょう。

問題は、施主・建築主のタイミングか?施工業者のタイミングか?
どのタイミングで請負契約をするのがトラブルを無くすのでしょうか?
やはり、施主・建築主にとってのタイミングを優先した請負契約の方が建築上のトラブルは少ないと考えます。
そして、このタイミングを見極めるためのポイントは、「設計図書と仕様書」の出来だと考えます。
一般の施主や建築主はこれらの資料ができても、「図面なんて見てもわからない」と言われる方もいます。
そう言った時には、セカンドオピニオンとして他の建築士等に客観的な意見を聞いてみるのも、理解を深めるのも方法です。
更に、請負契約締結時に注意していただきたいのは、膨大な検討を繰り返してきた図面や仕様書の数量が非常に多くあるため、最終的にどの案に決定したのかをはっきりさせておくことはとても重要です。
請負契約を締結する際には、最終決定した図面・仕様書・見積もりを三点セットとして請負契約書に添付して契約する、あるいは請負契約との関連を明示した上で請負契約を締結するといった方法が防御策として有効だと考えます。
これらの図面・仕様書・見積もり内容を請負契約書に関連付けていない場合は、しっかりと関連付けるように業者に変更を要望しましょう。
「何となく、流されて・・・」という行為は、後でのトラブルを招く恐れがあります。こういった作業・確認の積み重ねが、後々の紛争の際に大事であることは、ここまで読んで頂ければ理解できると思います。
建築トラブルを起こさないために・・・一歩ずつ進めていくことが大事だと思います。